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合わせ部分はリーマ合わせとし、曲げに強く、ずれない形状にしている。
(ロッドボルトの交換基準について)
ロッドボルトの折損はシリンダ・ブロックの破損等重大事故となるため外観上に異常がなくともメーカーで決めている使用時間や、分解回数に達した時又ピストンや、クランクピンメタル等の焼き付き事故或はオーバーラン事故等を起こした時には必ず交換し事故の未然防止を計る必要がある。

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2・66図 連接棒ボルトの一例

8)クランク軸
クランク軸はピストンの往復運動を回転運動に変えると共に機関出力の取り出し軸でもある。クランク軸は連接棒大端部と連結するピン部、軸を支えるジャーナル部及びこれらを結ぶアーム部から成り立っている。
クランク軸は機関の最重要部品であり、衝撃的に作用する曲げやねじりに対し、十分な強度を有する炭素鋼やニッケルクロームモリブデン鋼等が用いられ鍛造によって造られている。
ジャーナル部やピン部には高周波焼入れを施し耐摩耗性を向上させている。又ピン部への給油のためジャーナル部からピン部へ油穴があけられている。軸端には動力取り出し接手やフライホイールを取り付けるための加工が施されている。
クランクアームには通常ピン部と反対側にバランスウエイトを取り付けて振動の軽減と円滑な回転をするようにしている。
バランスウエイトは殆どが鋳鉄で造られ遠心力で飛ばないよう丈夫なボルトで締め付けら札ているが、小形高速機関には、クランク軸と一体で鍛造されたものもある。
(クランク軸の焼き付きについて)
クランク軸が焼き付いた場合はカラーチェックを行い焼割れを調査すると共に、硬さも調査する。ヘアークラック程度でアンダーサイズメタルが使用出来る径まで研磨してクラックが完全に除去できれば使用可能で有るがその場合も必ず硬さを再チェックすること。尚焼き付いた場合は相手側のメタルハウジングが変形していることが多いので必ず調査し異常が有ればメーカーに相談し修正又は交換する。

 

 

 

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